一口に手縫いといっても用途によって種類は様々です。本縫い、しつけ、裾などの始末等々。
基本的でよく使われる縫い方を紹介していきたいと思います。
布別・ミシン糸/針、手縫い針の選び方
布の種類 | 厚さ | ミシン針 | ミシン糸 | 縫い目の長さ | 手縫い針 |
オーガンジー シフォン ジョーゼット キュプラ |
薄い | 7 (ジョーゼット) |
90番 | 1~1.5mm程度 | メリケン針9 |
ローン ボイル デシン タフタ サテン |
9 | 60番 | 1.5~2mm程度 |
メリケン針8 | |
ギンガム ブロード シーチング サッカー オックスフォード |
普通 | 11 | 2~2.5mm程度 | メリケン針7 | |
タオル地 コーデュロイ デニム ギャバジン フラノ ツイード |
厚い | 14 | 30番 | 2.5~3mm程度 | メリケン針6 |
帆布 | 16 | 3~3.5mm程度 | メリケン針4・5 | ||
綿ジャージ トリコット スムース |
薄手 | ニット用 9 |
ニット用 50番 |
1.5~2mm程度 | メリケン針7 |
スウェット リブ | 厚手 | ニット用 11、14 |
2~2.5mm程度 | メリケン針6 |
基本の縫い方
並縫い
基本中の基本の縫い方です。縫い目の大きさは0.4~0.5㎝位にします。
ぐし縫い
ギャザーを寄せる時、袖山の形を作る時に使われます。
縫い目の大きさは0.2cmくらいで細かく縫います。
本返し縫い
針を前の縫い目のところまで戻す縫い方。
手縫いでは最も丈夫な縫い方なのでミシン縫いの代わりとして使用できます。
半返し縫い
針を縫い目の大きさの半分まで戻す縫い方。本返し縫いと同じ目的に使われます。
しつけ他
置き(落とし)じつけ
平らな台の上に布を置き、片手で布を押えてもう一方の手に針を持ち一針ずつすくって縫っていく方法。
ミシンで縫う時、布がずれないようにしつけする時などに用いられます。
二枚落としじつけ
置きじつけと同じ縫い方ですが大きな縫い目と縫い目の間に小さな縫い目を一目入れるのが特徴です。
厚手の毛織物等の時に使用します。
この方法ですとしっかり止まりますので、ずれ易い布の場合にも使います。
斜めじつけ
2枚以上の布がずれないようにする為、糸を斜めに渡してしつけをします。
しっかり止めたい時は縫い目を細かくします。
八刺し
斜めじつけを繰り返すと縫い目がハの字に見えることからこの名前がつきました。
接着芯を使うことが多くなったのであまり使いませんが、芯を表布につける時に使います。
高級仕立てなどで使われる方法です。
巻き縫い
ジャケットの裾の見返しの端等に使われる縫い方です。布の端に糸を渡し、細かく針を動かします。
星止め
主にパッチワークで使われる縫い方。
表面に出る縫い目が小さく、星のように小さいことからこう呼ばれています。
A:表面の縫い目が小さく、裏面の縫い目が大きい星止めの方法。
ファスナーを付ける時などに使います。
B:表面に縫い目を出さない方法です。見返しを縫い代にしっかりと止めたい時に使用します。
一番多く使用されるタイプです。
C:表面にも裏面にも縫い目を小さく見せる方法です。
糸が交差して布の中を渡るのでしっかりと止まります。
裾始末
まつり縫い(普通まつり)
折り代の端を折り、折り山を止めつけるのに使います。
表地を小針(織糸を1本すくうような感じ)ですくい、更に0.2~0.3cm先の折り山に裏面から針を入れ糸を引き抜きます。
これを繰り返し、表面から見て縫い目が小さく一直線になるように縫います。
流しまつり
普通まつりと縫い方は同じですが、斜めにかかるように縫い目を大きくし、ゆるくまつる方法です。
絹などの柔らかい布地に適しています。
縦まつり
折り代の裏面から針を前に出したら、すぐ上の表布をすくいます。
奥まつり
折り代の奥をまつる方法です。縫い目が見えないので裏付きのジャケットやコートの裾始末に使います。
渡しまつり
折り山と折り山を突き合わせにして、ミシンの縫い目を開いた時のように縫い目を見せないで縫う方法です。縫い目は細かくし、折り山に直角に糸を渡し、一針ずつ引き締めるようにします。
千鳥がけ
折り上げた布端を止めつけるのに使います。並縫いとは逆に左から右に進みます。
上下交互に小さく針に布をすくって縫います。
略千鳥がけ
テープや芯を止める時等に用います。千鳥がけとは逆に並縫いと同じく右から左へ進みます。
表布の厚みの半分だけすくいます。糸はミシン糸または、まつり糸を使います。
以上、手縫いの種類でした。
ここで紹介した縫い方を知っていれば大体問題なく服作りができると思います。
是非マスターしておきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。