折角作った服が、洗濯してよれよれになったり型崩れしないように!
始めに必ずやっておきましょう。
1. 布地の名称
- みみ(耳)
布地が織られた方向の両端のことをいいます。少し硬くなっていたり、色が濃く見えたりします。
布の裏表を見分けるのに使います。
- 縦地
布地が織られている場合の縦糸の方法を縦地と言い、布目とか地の目と呼ばれています。
縦地は伸びにくい性質があり(ストレッチ素材は除く)、その性質から裁断する時の基本にします。
製図や型紙の中に書かれている矢印は縦地の方向を示し、いずれの場合も矢印の方向に縦地を合せます。
- 横地
布地が織られている場合の横糸の方向を横地と言います。
縦地に比べて横地の方が伸びがあります(ストレッチ素材は除く)。
- バイアス
バイアスとは斜めの意味です。布目に対して45°の角度を正バイアスと言います。
バイアス地は伸びやすいので取扱いに注意しましょう。
- 布幅
耳から耳までの横方向を布幅と言います。様々な幅の布地がありますので、購入時には確かめましょう。
- 裁ち目
裁断した布地の端全てを示しています。
2. 布目の方向の見極め方
下記図のように生地を引っぱってみて、伸びにくいところが縦、伸びるところが横です。
裁断の際には縦横の向きに注意しましょう。
向きを間違えると出来上がった時のシルエットが崩れたり、光の反射の仕方が違って不自然に見えたりします。
着心地にも影響しますので注意してください。
3. 布目の歪みを正す(布目を通す)
正しく直します。この工程を布目を通すと言います。
3.1 始めに布の端の方を横地方向に裂きます。ハサミで少し切り込みを入れて、手で引き裂きます。
引き裂くことができない場合は横地方向の糸を引き抜き(毛抜きを使うとやりやすいです)、引き抜いた線に合わせてハサミで布を切ります。
3.2 布地を平らな場所に置いて、どっちの方向に曲がっているか確かめます。
直角定規を当ててみるとよくわかります。
3.3 布を対角線に持ち、短い方を引っぱります。少しずつ正しくなるようにしてください。
歪みがひどい場合はアイロンを使って直していきます。
※耳がつれてる場合は耳に切れ目を入れます。10cmぐらいの間隔で耳のみに入れてください。
4. 地直しの方法
地直しをされた状態で売っている生地もあるので、購入前に確認しましょう。
- 木綿、麻
1. 防縮加工されている布はアイロンをかけます。加工されていない布は水の中に1時間位つけて十分に水を含ませます。プリント地は、色のにじみがないか布の端に水をつけて確かめてから水につけます。
2. 少しの間脱水機にかけ、表面を裏にしてしわを伸ばし、広げて陰干しします。
3. 8割ほど乾いたら、平らな所に広げ、布地の裏面からドライアイロンをかけます。
その際は畳んだ状態で洗濯ネットに入れて下さい。洗濯後、上記の工程2へ進みます。
- ウール
1. 表面が内側になるように2つに折ります。布地全体に裏面からムラなく霧吹きで霧を吹きかけます。
2. 布地を軽くたたんで、湿気が全体になじむまで1時間以上置いておきます。
3. 裏面からスチームアイロンをかけます。上記を折り目の中にしみ込ませるようにします。布目の曲がりも直します。かすかに湿り気のある位でアイロンをかけるのをやめます。自然に熱がさめ、布地から湿り気が無くなってから裁断します。
- 絹
絹は熱に弱く、水につけるとしみになってしまうので、ドライアイロンで裏面から布目を直します。折りじわを取る程度でもいいです。アイロンの温度は130°~140°くらいにします。
- 毛足のあるもの
毛足のある布地は毛足がつぶれないように地直しをします。布地の表面を内側に合わせて、毛足をかみ合わせるようにします。アイロンは毛並み(毛の生えている方向)に合わせて軽くアイロンをかけます。アイロンは素材に合わせて、ドライとスチームを使い分けます。
- 化学繊維(レーヨン・キュプラ・ナイロン・ポリエステル・ポリウレタン等)
化学繊維は水につかっても多くの布地は縮まないので水を与える必要はありません。熱に弱いので絹と同じように地直しします。
以上、布地の方向と地直しの方法でした。
なにかと敬遠されがちな地直しですが、きちんとこの工程を行なっておくと服が仕上がった時や、しばらく着た後も変わらず美しいシルエットを保つことができます。是非裁断の前にやっておきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
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