表からボタン穴やボタンが見えないよう、上前端を二重に作って埋めるように留めるあきのことを比翼あき(比翼仕立て)といいます。
コートやジャケット等に使われる一般的な本比翼と、既製服でもよく見られる見返しを使った略比翼の縫い方を解説します。
1. 本比翼の縫い方
1.1 比翼布を用意する
1.1.1 上前と上前見返しから下図の大きさ(赤線)に裁断し、比翼布A・Bを各1枚用意します。
※裏地またはスレキを使います。
1.2 見返しに接着芯を貼る
1.2.1 見返しの裏面に比翼布より1cm短く裁断した接着芯を貼ります。
※すでに見返しに接着芯が貼ってある場合、この項目は省略して下さい。
1.3 比翼布を身頃と見返しにつける
1.3.1 比翼布Aと身頃・比翼布Bと見返しをそれぞれ中表にし、襟ぐりから1cm*下がった所から画像a点までミシンで縫い、切れ目を入れます。
1.3.2 比翼布Aと身頃・比翼布Bと見返しをそれぞれ表に返し、0.3cm控えてアイロンで整えます。
1.3.3 比翼布を開き、押えミシンをします。
1.3.4 比翼布Aと身頃・比翼布Bと見返しにそれぞれしつけをし、見返しに手縫いまたはミシンでボタンホールを作ります。
1.4 身頃と見返しを縫い合わせる
1.4.1 身頃と見返しを中表にし、襟付け止まりから【項目1.3.1】で縫い残した前端部分とa点より下をミシンで縫い合わせます。
1.4.2 縫い代をアイロンで割ります。
1.4.3 見返しを身頃裏面に返して整え身頃表からしつけをし、4枚一緒にミシン*で縫います。
※飾りミシンを兼ねる
1.5 糸ループをつける
1.5.1 ボタンホールの間に図のように長さ0.5cmの糸ループ*をつけます。
※以下参考ページの【糸ループの作り方2】
1.5.2 下前(表)に、ボタンを縫い付けて完成です。
※厚みのない平たいボタンを使用してください。
2. 略比翼の縫い方
2.1 身頃を裁断し、見返しに接着芯を貼る
2.1.1 上前・下前とも同じに裁断し、それぞれの見返し裏面に接着芯を貼ります。
2.1.2 見返しの端にロックミシンまたはジグザグミシンをかけて始末します。
2.2 上前見返しにボタンホールを作る
2.2.1 見返しの表面から、ミシンまたは手縫いでボタンホールを作ります。
2.3 襟ぐりと裾を縫う
2.3.1 上前見返しを身頃の表面側に折り返し、襟と裾をそれぞれ縫います。
2.4 上前に飾りミシンをする
2.4.1 上前の見返しを身頃の裏面にひっくり返し、前端と見返し端に飾りミシンをします。
2.5 ボタンをつける
2.5.1 下前(表)に、ボタンを縫い付けて完成です。
※厚みのない平たいボタンを使用してください。
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